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list 淡麗にして辛口

今年も残すところひと月。
年の瀬くらいは皆さんお酒を飲んでくれるだろうか、、、(笑)。


酒場を経営する身のホンネを言えば、実はここのところ得も言われぬ不安に襲われている。店の行く末を含めてこの生業の将来にである。
オーセンティックなBARは、本来「流行」に左右されない普遍性がその存在価値といえる。ウチのお店は洋酒以外に焼酎や日本酒もあって、食事メニューもそこそこある店なのでオーセンティックな「BAR」とは呼べないが、せめて「なんでも屋」に成り下がらぬ程度にバランスを取りたいと努力している。そんな日々の中で、最近特に危機感すら感じるのが空前の「ノンアルコール」ブームだ。テレビのCMでは『アルコールゼロ%』『酔わないカクテル』といったおかしなフレーズが連呼される。ウチでも最近は「NOアルコールカクテル」の注文が一番多い。売れるならそれでいいじゃないかとの声も聞こえてきそうだが、酒場で酒が出ないのは心中複雑だ(笑)。まあ、クルマでお越しだとか諸々事情あってのこと。そこは、ジュースやウーロン茶と言わずせめて「カクテル風」とのご用命に、ギリギリ「BAR」としての存在意義を見出す今日この頃(笑)。


先日、某所である青年と出会った。
ボクとは立ち位置は違うが同業業界人だ。しばし酒談義になって、日本酒の好みの話になり、ボクが淡麗辛口のお酒が好みだと言うと、彼は即座に「辛口ってどうせ喉ごしのピリピリ感が欲しいんでしょ?そういう人はさっさと焼酎飲めばいいんですよ」と言った。そして「淡麗辛口の時代なんてとっくに終わってます」とも、、、。釈然としなかったが(笑)自信満々な断定口調にあっけにとられ、ボクには「そうなんだぁ、、、」としか言い返せなかった。それは彼が自分よりかなり若く、共通言語を探るのに骨が折れそうだったのと、反論し始めたら収集がつかないと判断したからである(笑)。
いきなり初対面の若者に「時代遅れ」のレッテルを貼られてしまったが(笑)ボクは流行り廃りで酒の味を判断したことなどない。ボクが淡麗辛口という言葉を用いたのは、自分の嗜好をわかりやすく相手に伝えるためのガイドみたいなもんで、ある意味射程距離の長いパスのつもりだった。しかしパスはさっさとスルーされ、淡麗辛口という言葉の意味を共有してもらえず、ボールはそのままタッチラインを割った(笑)。もちろんボクの言う「辛口」とは喉ごしのピリピリ感などのことではない。「ベタベタ甘くない」という意味である(笑)。

若い世代の酒離れが語られて久しい。酒離れはきっと氷山の一角で、酒についてだけでなく、嗜好を文学的に表現したり、お互いの感性を探りながら語り合うことなど既に懐古趣味になりつつあるのかも知れない。ノンアルコール、低アルコールが時代の流れだとすれば、彼流に言い切れば「酒を飲む時代はとっくに終わってますよ」となるんだろう(笑)。

酒は間口の広い世界である。しかし遍く人が幅広く楽しまなきゃ行けないという理由もなければ、自分なりのオハコがあって当たり前。己の好むものが本物であとは邪道と言い切るのも勝手。しかし一言だけ言わせてもらうなら、料理と同じで理屈で味わう物ではないということ。舌を通じて己の感性に訴えるものをどれだけ受け止められるかという楽しみ。広い間口から、出口の見えない深遠な迷路へと一歩踏み込んだら、ウチの棚の酒たちが一斉に語りかけて来るはずなんだけどなぁ、、、(笑)。


P1010034.jpg

青年曰く。
「ウィスキーに価値は無い」
「何の樽に入れただとか、何年寝かせたとか熟成だけの産物」

ふ~ん。あかんの?それじゃ。
飲む人はそれが楽しいのに、、、。
ゲール人が怒るぞ(笑)。

最初から己の間口を狭めていてはつまらんよ。
この深遠なる世界を、稚拙な言葉で独断するほど愚かなことはない。





さあ、師走。
少しぐらいBARらしく今年を終わりたいもんだ。



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【2011/11/30 15:18】 主張 | track back(0) | comment(4) |
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