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list フェスティバルホール「復活」

新生フェスティバルホールを聴いてきた。

実際に聴いたのは、大植英次指揮大阪フィル、マーラーの「復活」だが、興味の半分以上が新しいホールの「出来」に集中していたのは間違いない。

昨年、兵庫県立芸術文化センターで聴いたマーラー「3番」の完成度からいって、今回の「復活」が水準以上のものになるのは想像がついていた。第2番「復活」は、第3番以上に人員を要する大編成による楽曲ではあるが、マーラーの初心者向け入門編と語られるように、楽想、構成、演出ともに難解さはない。言葉は悪いが、役者が下手でも脚本の良さで充分ウケる舞台劇のように、平凡なパフォーマンスでも最後はキッチリ感動する「脚本の完成度」がある。楽譜細部にも繊細な表現を求め、丹念にフレーズを歌い上げながらも全体の構成も俯瞰することに長けた大植氏ならハズすことなどないし、ライブでのオーケストラを鼓舞するオーバーアクションな指揮に手兵・大フィルが応えないハズもない。

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写真で見ていたとおりゴージャスな造りで、特にロビーの幻想的な雰囲気は他のホールにはない。開演前や休憩時に軽飲食出来るラウンジは最近ではどのホールでも当たり前になったが、ここはとにかく薄暗く、各テープルに据えられたキャンドル風ライトが怪しい感じ。どういうコンセプトなんだろう?(笑)


さて、着席。約3000人(正確には2700)収容のホールは流石に大きい。
今日の席は1階20列、上手寄り。BOX席のすぐ後ろだから音的にもそれなりに保証された場所だと思われる。オーケストラの楽器配置がいつもと違う。コントラバス、チェロの低弦は左側、ヴァイオリンは第1と第2が左右に分かれている。きっとこれはこの曲の初演時に倣ったものと思われる。合唱団は途中入場か? きっと第1楽章終了後に入場だろう。スコアには第1楽章終了後「少なくとも5分は休め」と指示があるので、、、。

さあ、音だ。
例によって大上段に振りかぶったやや大袈裟な冒頭。弦楽器のトレモロがffから一気にpまで>し、低弦がfffで唸る部分。

ん?音が遠い? 既にここでやや気が抜けた(笑)。
ステージからそんなに離れていないのに音の押し出しが弱いな。

この段階で、この新品ホールの「加減」を思い知った。オーケストラがまだ鳴り始めというのを差し引いても、グッと心を掴まれた感が無く、嗚呼、今夜はホールの能力に加減しながら聴く必要アリ、、、と覚悟を決めた(笑)。

この曲は、壮大な編成を必要としながらも、途中には室内楽的な部分や、バンダ(舞台裏で演奏するチーム)も重要な役割を担う部分などがあり、常に抑揚が求められ聴き所満載なのだが、場面場面でどうもホールの響きが気になってしかたがなかった。演奏自体は予想通りとても表情豊かで、陰影にも最大限配慮した、このオーケストラの実力がいかんなく発揮された熱演だけに尚更だ、、、。指揮台の大植氏もそれを知ってか?ホールへの響きを補うかの如く、いつも以上のオーバーアクション(笑)。観客をノセて行くのも指揮者のお仕事。御苦労様です。

ところが、第4楽章。アルトの独唱が「おお、赤い小さな薔薇よ、、、」と唄いだした途端驚いた。人の声、、、この響きの良さ。突然心を掴まれた。もちろん、独唱者アネリー・ペーボの実力もある。指揮者の意図に充分応えたパフォーマンスでもあろう。それは、やがて終楽章、ようやく合唱登場の場面、合唱団全員着席したままpppで「蘇れ、、、」と歌い出した厳かな場面、さらに思い知る。コーラスは細心の注意を払ってpppで歌い出したはずだろう。しかし、響きはとてもリアルで、声の粒立ちが際立った。

そうか、このホールは「楽器は不得手」で「人の声は得意」なんだな(笑)。

それまでオーケストラの各楽器のソロや聴かせどころがイマイチ届いてこない不満が理解出来た気がした。曲は、独唱と合唱が加わり大団円に向かい一気に加速。ソプラノのスザンネ・ベルンハルトも秀逸!合唱はプロ・アマ混成チームながら歌詞の意味を熱く伝えるに余りある表現力を発揮。「生まれたものは必ず滅し、滅したものは必ず蘇る!おののくのはやめよ!生きるために死に逝かん!」 思わず涙がこぼれた。
新しいホールは「人の声」を存分に響かせ、大きく勝利し復活した。

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オーケストラももちろんよかった。途中、管楽器群に難がなかったワケでも無いが、それは毎回言っているようにマーラーの演奏ではどんな優秀な楽団でも同じ事。今回特に際立っていたのはテナートロンボーン。何とN響の主席奏者新田氏が吹いていて「えっ?大フィルに移籍?」 昨年の3番、折角のトロンボーンソロがダメダメだったので(笑)、そのロートル奏者退団後、後任に入られたのかと思ったら今回限りのエキストラ。テナートロンボーンが単独で聞こえる部分の何と美しかったこと、、、。まあ、新田氏は特別だが東京のオーケストラとのレベル差が図らずも垣間知れた部分かも知れない。でも相変わらずフルートはよかった(笑)。

以前にも書いたが、この伝統ある大フィルでさえ、今回もメンバー表を見る限りでは正規団員は少ない。演奏会ごとに非正規メンバー(エキストラ)を加えての運営という苦労が伝わる。大阪府・市からの補助金大幅削減の煽りを受けてのことなのは言うまでも無い。


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これは3階からの眺め。
音的にはこちらのほうが良いかも知れない。

まだまだ、音も硬いし、きっと聴く場所も選ぶ。
出来たばかりなので評価は急ぐまい。でも、西宮の芸術文化センターと似た響きという感じがして少し落胆(笑)。ただ、人の声の響きは出色。PA(音をマイクやラインで拾って拡声する)するポピュラーミュージシャンにはきっと好まれるだろうな(笑)。
収容人数が多いのもお客の立場にとっては「?」。今回は半ば「お祭り公演」だから普段こういう演奏会に不慣れな人たちも多かったのもあろうが、他会場より1000人お客が多いということは、マナーの悪い不心得者もその分増えるということ。曲中の無遠慮な咳払い、お喋り、プログラムを開く音、フライング気味の拍手、ブラボーのかけ声、等々。ホント、関西の聴衆はまだまだレベルが低すぎる。


秋には、ウィーンフィルとベルリンフィルが揃い踏み。
チケットが高すぎる、、、(笑)。







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【2013/04/28 10:03】 音楽 | track back(0) | comment(0) |
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