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list 熟する、と言うこと

アバドが亡くなって色々思うところがあるので、続けて音楽を中心とした話。

現在「指揮者」を名乗って生業としている人は世界にどれぐらいいるのだろう。ボクのように「とても偏った音楽マニア」にとって、興味を持っている指揮者はせいぜい10数人だ(笑)。特に実演に接することがままならない境遇だと、CDとかDVD、テレビ番組で好きなものしか聴かないことになるので余計偏る。アバドのように亡くなった人には申し訳ないが、その亡くなった人の空席を埋めるチャンスを得る指揮者もきっと居るワケで、一口に「世代交代」と言っても現場では中々スムーズに運ばないのが楽壇の現実だと思う。乱暴に言うと、下の世代で「次」を待つ人たちがひしめいているということだろう。
しかし「芸」の世界の話だから、芸の優劣が人気や集客に反映されるとなるとその現実もまた普遍的なものなのかも知れない。アバドの他会に色々感じ入るところがあるのは、ボク自身が音楽を聴き始めて40数年とするならば、丁度彼の活躍した期間と符合するからだと思う。彼が「熟していく」様をリアルタイムに感じて来た自負がある。
マゼールは少し上だが、メータ、小澤、ムーティ、バレンボイム等々、同時期に活躍して来た有名指揮者たちは現在70〜80歳を越え「円熟」という言葉で評されるに至って来た。かつてはワルターやフルトヴェングラー、トスカニーニ、その後はカラヤン、ベーム、ショルティ等々が君臨した時代を経て今がある。録音や録画技術の進化と共に、こんな東洋の小国のそのまた片田舎でもその歴史の片鱗を伺い知ることが出来るわけだが、この50年、レコード全盛期が20数年、CDに転換して30年だ。アバド以降の指揮者たちはメディアの進化と共に人気を得た人たちと言えるし、メディアに育てられた我々にとって愛着を感じるのは必然というところか。

指揮者は40歳でもまだ「若手」と書いた。
もちろん20代でデビューして、色々な所で修行を積み、世界一流の舞台に登場するのが40歳ぐらいという統計的な話なのだろうが、天才的な才能をしてもそうなのだから「世界的巨匠」と呼ばれる人が一握りなのがわかる。多額のお金も動く興行の世界でもあるので、大きなシステムの中で成り上がるには相当の政治力も必要だろうし、現場はオーケストラと言えども100人近くの集団。老若男女、海千山千の集まりでもある。音楽の才能だけで人心掌握するのは難しいということだろう。楽員と確固たる信頼関係を築き、そこから100%以上の能力を引き出して至高の芸術を具現化する、、、そこには音楽家としてよりも、人間としての成熟、完成が求められるということかも知れない。才能豊かな若い指揮者が、こと細かに指示を出して念入りにリハーサルをして、本番を完璧に振っても、必ずしも素晴らしい演奏とならない。しかし老練のマエストロが指揮台に立つだけで、短時間の練習にもかかわらず空前の名演を成してしまうこともある。本当に指揮者というのは不思議な存在だ。

今、世界最高峰のベルリンフィルを率いるサイモン・ラトルは59歳。昨年ウィーンフィルと来日したドイツ期待のティーレマンは54歳。ボクが「次はこの人」と信じるエサ・ペッカ・サロネンは55歳。期待の日本人では大植英次が56歳、大野和士が54歳、佐渡裕が52歳。あまり年齢にこだわりたくもないが、この世代がこれから「円熟」にむけての20年を迎えているということだろう。まさにボクら世代だ!(笑)。

先日、レコード雑誌の評論を読んで初めて演奏を聴いた指揮者がいる。

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ジョナサン・ノット 1962年生まれ(52歳) イギリス人

名前は以前から知ってはいたがノーマークだった。雑誌で推薦されていたCDを早速購入。それも大好きなマーラーの交響曲第3番。

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ライヴ録音にもかかわらず驚くべき完成度の名演。ドイツ片田舎のヤボったいオーケストラと見くびっていた楽団は(失礼)、細部に渡って丹念に研ぎ澄まされ、比類のない緻密なアンサンブルと構造美、音楽性に溢れていた。この長ったらしい曲のここまで完成された演奏は偶然では成し得ない。2000年からこのオーケストラの主席指揮者のポストにあるらしいが、これは指揮者としての完成度を知るに十分だ。いっぺんに目が離せなくなってしまった。この人も確実に「Next」の一人に加わった(笑)。
しかも何と、彼はこの春から東京交響楽団の音楽監督に就任するという。何とタイムリーな、、、。

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就任記念演奏会が4月に行われる。もちろん東京でだが、、、(笑)。
取り上げる演目はいきなりマーラーの交響曲第9番!
これは何としても聴き逃すわけにはいかない。日本にいるのならば無理をしても実演に触れたい。

3月には、円熟の頂点にある77歳エリアフ・インバル指揮、東京都響・マーラーチクルス完結の「9番」を2日に渡って聴く。インバル亡き後は(まだ死んでないが・笑) ノットと東響のマーラーを聴きに上京する機会も増えるかな?(笑)



※ちなみに、東京交響楽団と東京都交響楽団は別。


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【2014/01/29 16:05】 音楽 | track back(0) | comment(0) |
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